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【京浜電鉄歴史】
青山延長線 (高輪~白金猿町)
2022.06.01 Ver2.01 |
京浜電鉄は東京都心に直通するべく策を練りに練っていたが、品川に向かって左側は高台にお偉い肩書きのお屋敷が並び、道路は東京市電が、右側は崖下を省線が。という線路を敷けない「隘路」に塞がれていた。
当てにしたお屋敷は土地を売却拒否、困り果てて、ようやっと毛利邸の一部を買収させてもらった状況。
海岸沿いには市電と省線が併走。この状態では品川から先の路線特許はもらえないので、青山、千駄ヶ谷に抜ける路線を計画して特許をとにかく取ってしまえ・・・。で取得した。
しかし、既存線は高輪駅乗り入れのための東京市との交渉はノラリクラリかわされ、さらに京浜線の攻撃で鉄道院に競争をやめてくれるよう嘆願するヤバイ収支状況や不況に襲われ、設備投資は続々かかり、新線敷設工事の余裕が無くなってしまった。
京浜電鉄が取得した路線の免許も次々失効を迎える中でも、最後まで延長申請をしたものの、為政者からやる気無しの烙印で免許を失効してしまった当路線を取り上げます。
青山~千駄ヶ谷等については別項で予定しています。あと50年くらい先かも・・・。 |
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路線免許申請・取得と着工しないなら免許失効!! |
[関係する路線免許]
(26) 明治40年12月 品川~青山間、青山~内藤新宿間延長、免許申請
(27) 明治41年6月19日 品川~青山間 3哩半=5.6km 敷設免許下附※青山線
(28) 明治41年7月 青山~千駄ヶ谷間 免許申請※東京府豊多摩郡渋谷町大字青山南町7丁目~同郡千駄ヶ谷町
(29) 明治43年6月 青山~内藤新宿間免許申請取り下げ
(30) 大正元年10月30日 青山~千駄ヶ谷間 約1哩28鎖=2.05km 敷設免許下附※千駄ヶ谷線
どう考えても東京市内を併用軌道で土煙上げて走り回れば良かべぇ~。的な路線ばかり。
こんなになると予想もつかなかった時代。まさに激動の時代・・・。 |
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↑右:東京府知事から青山線の一部高輪町内の竣工しただけで、十数年を経過している。今回、さらに路線変更を願い出ているが、会社として果たして「ヤル気」があるんでしょうか?と疑義を呈してお国へ書類を回す
↑左:青山線について品川~猿町、留め置き中、千駄ヶ谷線について期限切れ・・・。
双方、度重なる延長の手法に路線変更を持ち出していることに呆れて居る様子・・・。
その後、別途の稟議で鉄道大臣名(内務大臣名併記)で大正15年9月4日には高輪~白金猿町の大正16年(昭和2年)3月31日期限迄延期許可、青山線白金猿町~青山間は延長申請は「聞き届けられない」と軌道特許取消、千駄ヶ谷線は失効とされ、9月9日の官報に掲載される。 |
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↑ 監督官庁決裁文書の担当者が記載した説明図
店主が官鉄を黄色着色、文字入、範囲、注釈赤線で指示。
赤線の範囲の線路は敷設されていない。お情けで猿町まで延長許可の状態
しかし、白金猿町で地下鉄に接続してどうしたかったのだろう。
八ツ山橋から高輪駅迄は併用軌道なので、電動車の連結運転は事実上不可能。
地図上では黒色の++++の2路線()の路面線の許可を得ている状態
現在に至るまでビジネス街になっていない。「白金」と付いて地価とイメージは高騰中 |
■既に白金猿町以遠は取り消し文字。
■高輪駅の線路が曲がって実在線になっている。上記の高輪駅構内配線予定図のとおり。実際は??
■他社の申請・免許路線もいろいろと・・・。追々・・・。 |
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青山延長線の縦断面図
ページのタイトルだと高輪~白金猿町の区間で良いのですが、図が一体なので京浜電鉄品川Ⅰ(青山延長線起点)からそのまま掲載します。 |
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高輪停留場から白金猿町まで一方的な急勾配区間で、築堤、トンネルを計画
※地図の記号、数字は全て尺貫法です |
平 面 図 |
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↑(1)京浜電鉄品川Ⅰの起点から55間(約99m) は大正3年に認可もらって施工済みと記載がある
(2)京浜側の図面だからか、高輪南町から高輪停留所手前までは東京市電氣局線路共用とある
実態は東京市電の線路。逆に高輪南町から品川Ⅱ(市電はⅢ)は京浜電鉄の線路。
(3) 起点から55間の八ツ山橋を含む区間は、大正3年9月9日付けで工事認可を取得して施工済みと書き加えている。文書番号が丑圡甲第291号と大正時代のカホリがプンプン
(4) 監督関係局は乗入共用区間では、京浜の大型車と市電の車体幅や車輪が違うので、専ら軌道中心間隔、車輪のフランジ、ポイント等でレールのアタリ等をを気にしていた。 |
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↑高輪駅の図面は延長線申請当時なので全く?異なっています
詳細は高輪駅ページに加筆しました |
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↑隧道から猿町停留所までの間に密集する人家をかなり買収して
道路を付け替えて、トンネルを掘削、毛利邸の道を塞がぬよう橋梁(陸橋表示)で越し、
白金猿町まで一方的な急勾配の専用軌道を敷き、踏切を3カ所設けるという豪勢な計画だった |
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↑昭和の時代でも東京市電で輸送が事足りていた。
現在では都営浅草線 高輪台駅が至近の位置に設置されている |
=======加筆を予定しています$(_ _)$========= |
[参考文献] 日本鉄道旅行地図帳 今尾恵介様監修 新潮社
御礼申し上げます。 |
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※店名略称:フィルムスキャンs、通称店名:鈴木写真変電所
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