フィルムスキャン&プリントのS、 鈴木写真変電所 
ビネガーシンドロームの症状は遅延させられるのか! 
 なぜ、店主がこのようなページをつくるのか?
2012.01.18記)2018.04補訂
店主は複数のお客様の30〜40年保管レベルのネガをデジタル化しておりますが
 
紙製のネガフォルダーに収納されているフィルム
 (1)BNGの進行度合いが格段に遅い、
 (2)フィルムの自己溶解が無い。
 化学樹脂のフィルムケースに収納されているフィルムは、通気性に乏しいので
 (1)フィルムが酢酸ガスで自己溶解→高濃度酢酸ガス→加速度的な自己溶解を行ってケースに溶着
 (2)上記(1)以前の状況でも悪化する期間が非常に短い
 という事実を確認しております。 
2018.06記 ビネガーフィルム復原アイロン(組み立てキット)で酢酸成分を飛ばし、フィルムの平面性を回復が可能です。
※フィルムは千差万別ですので充分ご注意下さい。上記アイロン発売に記事を記載しています。 
コスモスインターナショナル様を御紹介するのは
社長の新山様のお父様の代から写真を愛して個人創業。
プロ方を対象に保管や展示用品、高品質プロ用インクジェット紙などの販売業務や写真展示サポートを
展開されている会社です。
特に、ネガフォルダーについてはその保管について、様々な状況をご存じで、店主はそのような経緯から
ご紹介しています。
コスモスインターナショナルフェイスブックはこちら
 転載許可を頂きましたので、商品紹介ブログを転載して御紹介いたします。
<cosmosint blog-2006/08/06付
 モノクロやネガ写真の写真の整理用品としてアーカイバルグラシンスリーブを希望される方は少なくありません。
 いままで日本に1社戦前からつい最近まで供給していたところがありましたが、現在中止しています。
 ただしこのグラシンはアーカイバルの認定はさだだてはありません。
 コスモスアメリカから中性のグラシン紙を輸入し美術館・博物館の用途のため少量ですが特別に作りお納めしています。
 この紙はアメリカの写真活性度テストに合格しています。

 今般コスモスの取引先 ドイツのMONOCHROM社の社長が来日(3月ブログに書きました)された際、
 コスモス向けのため、3穴、4穴、2穴、いずれにも対応するスリーブを注文いたしました。
 ドイツではすでに販売しているのですが、4穴です。コスモスはプリントファイル社の製品を幅広く取り扱っています。
 バインダーは3穴中心ですので、顧客が4穴だけでは整理に困るのではと留保していました。
 現在すべてに対応するグラシンが到着しました。

 モノクローム社のグラシンはアメリカのPAT(写真活性度テスト)にパスしています。
 余談ですが新山の父親が戦前・戦後 ダイヨット・さまざまなファイル・写真屋のネガケースに写真をいれていました。
 一般名称としてはグラシンとはいわず、硫酸紙といっていました。紙でのスリーブもたくさんありました。
 戦中・戦後の紙が一番悪い状況時、写真店の現像したあとに入れて返してくれた紙のスリーブは要注意です。
 ときには紙の下にホッチキスでとじているものもあります。この針からさびが発生します。
 昭和44年に父親が亡くなったのち写真はそのままにしておいたのですが、昭和55年写真整理用品製造・販売を開始後、
 すこしづつ、アーカイバルの重要性を認識しながら取り扱いをふやしました。
 少しづつ昭和10年くらいから亡くなるまえまでの作品を整理いたしました。
 このとき前述のダイヨットの硫酸紙封筒に入っていたものはかなり良い状態で保存されていました。
 紙の悪いものからは写真退色をひきおこしているものもありました。
 昭和45年今は亡き浜谷浩先生から、スリーブは毎年一回は取り替えることを薦められましたが、実行出来ませんでした。
 今年のコスモスのポストカードカレンダーは戦前の写真を中心につくりましたが、約70年たったいまでも鮮明にプリントができました。
 硫酸紙のおかげ・・・・・・今のグラシンは硫酸紙よりはるかに良い材質です。

 父が当時使用したファイル・・長期保存(笑)していましたので、お見せします。
 最後に価格おしらせいたします。ブログは新製品・ポート フォリオ・箱等について書いて参りましたが、
 コスモスの原点である長期保存の製品も含めて情報をお送りするよう努めます。

新山 清 使用 (戦前、戦後当時のスリーブ)                                     

       _004_2  _020_2  _008_2  _012_2  _001_2
 (2011.09)
 まず、フィルムの劣化について
 1 メーカーの材料
 2 現像処理
 3 保存方法
 の3大要素があり、
 保有者は1と2については、今更いかんともしがたい。

 3の保存方法によって次の現象が発生しうる
 (1) 通風の全く無い容器(場所)では
    フィルムベースに含まれる酢酸の濃度が上がり「ビネガーシンドローム」が発生
 (2) 湿度
   湿度が60%を越えるとカビ菌が発生してフィルムの感光剤を蚕食する。
 (3) フィルムケース
   樹脂ケースの一部はフィルムと溶着を起す素材が使用されている。
 (4) 自然光
   自然光に含まれる紫外線等の「光線」で感光材が劣化。
 とのことですが、(1)〜(4)を達成するには通気と湿度の適性な管理が必要で、個人には困難な点もあります。

 次にビネガーシンドロームについて
 発症したら進行は止らない。
 ・酢酸ガスの濃度を薄めれば、若干の進行遅延は行えるかも知れないが、基本は止められない。
 ・発症したフィルムと健全なフィルムを隔離することも重要。酢酸ガスが健全なフィルムに連鎖をおこす。
 
 対策は
 ・健全なフィルムを樹脂フィルムから通気性のあるフィルムフォルダー「グラシンスリーブ」に交換されることも
  一方策ですとのこと。
 ・ただし、様々な条件が重なるので「確実」とか「防止」という保証は困難。
 ・湿気(カビ)対策と容器内に(罹患フィルム)が無いことが条件。

 酢酸臭がするフィルム
 進行が進む前に「スキャン」する他は手立てが無い。健全なフィルムを隔離する。
 進行遅延の効果程度は言えないが、酢酸ガスの濃度を薄めるには通気性が必要。
 「グラシンスリーブ」の通気性に期待をすることは可能かも知れない。
 ただしビネガーシンドロームの進行自体は止められない。
 とのご説明でした。

 店主は、書出しのとおり、40数年前他紙製のネガケースは酸臭がするものの、ケースとの溶着もなく、
 湿度管理が良ければカビも発生せずにベース縮み程度で済んでいる。ということから、
 効果があるのではないかと「グラシンスリーブ」を御紹介する次第です。
 なお、責任は一切持てませんので念のため。
  
関連の各ページへ 2024.06補訂
■ビネガー復原アイロンキット本体の紹介→こちら
 ■ビネガー復原アイロンキットの効能概要
 (1) 円弧状からエンピツ状まで、弾力の残ったフィルムの平面化
   鉛筆的に丸まったフィルムを救出→鉛筆状に丸まったフィルム
 (2) フィルム内で活性化している酢酸の活性度を極限まで低下させ延命
   ※店主のビネガーフィルムは約10年以上前の処理開始以来、全て変化無く延命中
 ▲パリパリ系のフィルムSCAN??
    フィルムのビネガー最終形の寸前→ラストチャンスに賭ける
    ビネガー最終形の固化フィルム  →最強・最極悪のフィルム
 (3) 一気にビネガーフィルムを処理
   大判ビネガー復原アイロンキットで、一旦加熱、酢酸を蒸散?活性度を極低下させる。
   長期間保存後に再度、ビネガー復原アイロンキットで再加熱してSCANすればOK!
   湿度管理と定期換気が条件
 ■ビネガーアイロン・SCAN時の必要品
 (1) 保存用の収納スリーブ
   グラシン紙スリーブしか無いと考えています→グラシンスリーブ
 (2) ベンジン
   衣類しみ抜き用等、薬局で購入可能
 (3) クリーニングペーパー
    ベンジンを含ませて、清拭時に糸屑の出ない極細化学繊維のペーパー
   が最適です。
 (4) エアコンプレッサー
   スキャン時のゴミ飛ばしに模型用の小型コンプレッサーをお勧めします。
   コンプレッサーの例:エアテックス APC001R2(ヨドバシカメラにリンク) 等の低騒音型
   模型用?と本職用?は口径が違い、互換用の接続器具に合ったものをお探しください。
   購入時に口径と接続部分は充分に御注意下さい。
■スキャン方法
 SCAN解像度について→メーカー解説はその場限りの解像度
  (1) エプソン GT-X980/970 →概略的に →実践的に →設定方法のキモ
  (2) アイロン後に湾曲残るフィルムはガラス挟みスキャンで→ガラス挟みSCAN
  (3) 高画素のデジタルカメラでSCAN →NikonES-2
  (4) RAWのネガ反転ソフト→RAW反転ソフト
■データ保存は→こちら
■SCANデーターの命名規則等→こちら
■USB接続機器の取り外し方→こちら
■ハードディスクの収納装置→こちら
■パソコンを自作する→こちら
・ビネガーシンドロームの実態
・自分で大量スキャン実行方法 
当店のスキャン業務等   店主の地方鉄道巡り  店主のお散歩・グルメ
 ※店名略称:フィルムスキャンs、通称店名:鈴木写真変電所
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