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エンピツ状に丸まったフィルムの救出と
ビネガー復原アイロンキットの御購入前・後の説明書兼ページ
2020.04訂補 |
ビネガーフィルム復原アイロン(組み立てキット)を使用して
極丸鉛筆状フィルムの伸ばしに挑戦と注意点
(御購入予定の方必読。説明書兼です)
激注意!
ガラス挟みSCAN以外の方法では
伸ばしたら直ぐスキャンを行って下さい。伸ばし→時間経過の実例掲載
ネトネト、湿ったフィルムに絶対に使用してはいけません |
本ページは慶応義塾大学 鉄道研究会三田会OB、蒸気を愛する会の村樫 四郎 様、林 嶢(たかし) 様からフィルムの御提供並びに
御教示、御助言等を頂いて一貫したページを作成することができました。御協力に心から感謝申し上げます。 |
本ページの作業例は全て保証の限りではありません。1コマ1コマ千差万別で様々な結果が出ると思います。
※< COLOR="#990000">雨の日や湿度の高い日はなるべく避けて頂いた方がよろしいと思います。秋から春がオンシーズンです。 |
アイロン伸ばし後に直ぐスキャンする事など注意をお守り下さっての作業を宜しくお願いいたします。 |
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鉛筆極丸状フィルムの伸ばしに挑戦
(2018.09.24-アイロン1ヶ月後の状況を追加掲載) |
ビネガーアイロンで行けそうなフィルムをアイロン。「蒸気を愛する会での公開試験(村樫 四郎 様のフィルム) 」から・・・。
※本ページはビネガーフィルム復原アイロン(組み立てキット)の使用法、活用法説明書の一部としています。
【御注意】フィルムを押してぷにぷに弾力があれば下記の方法でイケます。
厳しいカーブをほどくため、フィルムの様子を見ながら
ビネガー復原アイロンキットを使用し、
加熱直後は30秒、以降1分毎に3~5分ぐらい様子見しながら、しっかりと押してください。
どの程度カーブの白黒フィルムも酢酸の極低活性化のため、
さらに継続して5分程度の加熱アリです。 |
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↑極丸まってはいますが、行けそうな柔らかさなので、ビネガーフィルム復原アイロン実行 |
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最初の1コマ分を拡げ、コマのスリット間にアイロンを置きます。
例は縦置きですが、横でも構いません |
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↑指でコマをムリムリ拡げ、20秒程度加熱したら、すぐ次のコマを拡げ、順次拡げてアイロンします。
アイロンの移動はコマの部分から気持ち浮かせ、擦過傷を作らないように慎重にアイロンを進めます。 |
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↑ここまでのフィルムは、通常、上下のパーフォレーションの穴の周囲が
凸凹になっていますので、カットしてガラス挟みスキャンとなります。 |
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↑実験後のフィルムフィルムはこの程度、
丸まりが戻ってしまった時のEPSON-GT-X970でガラス押さえSCAN方法。 |
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↑付属の8×10フィルム用 フィルムエリアガイドを置いて
ヨドバシカメラ(秋葉原)で購入した「無反射ガラス」254×203mmをかぶせます。
※寸法はピタリではないそうです。無反射ガラスは若干緑気味の普通のソーダガラスだそうで、
カラースキャンには気になる方には向かないのでは?とのことです。
※2018.08現在、別途カラー用の無反射ガラスをガラスメーカーに注文中とのこと
結果は満足いかず、別途、捜索中とのこと
長年この方法でスキャンされて、素晴らしい作品が掲載されています
↑↓ ホコリはデモのため除去していません。 |
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↑ガラスの上にゴムを載せて蓋を閉めれば圧力が加わる寸法です。
プレビュー後、範囲をクロップしてスキャンします。
御教示頂いて、店主もガラス挟みのページ作成しました。→こちら |
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村樫 四郎 様から送られてきたフィルムをスキャン |
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↑村樫様に「無事にお返しできるか保証は出来ませんが、出来れば先日のコマを全部SCANさせて頂きたいのですが」
とお願いしたところ、既にビネガーが軽い時にスキャン済みなのでどうやっても良いよ。と有り難くお送り頂きました。
※放置で鉛筆のように丸まってしまい、更にカリカリになって崩壊します。
(会場でアイロンしてから約1週間後のフィルム群です。カーブ戻り具合など) |
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↑上部のフォルダ写真
緑で囲ったU字形のフィルムを約3分そのまま再アイロンしました。 |
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↑速攻冷却をカマします→SCANへ |
鉛筆と同等に丸まったフィルムをほぼ平面化する |
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↑紙製フィルムフォルダーに入っているファイルムは経験上、
多くがビネガーフィルム復原アイロンが使用可能。 |
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↑鉛筆同様に丸まったビネガーフィルム |
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裸指で処理するため、指先を石鹸で良く洗って油分を落とし、
必ずフィルム表面を下に向け、感光剤面側を上に向けます。フィルムベースの酢酸成分を追い出すためです。
裸指で巻紙をほどくようにしますが、ここでフィルムが割れたら別ページの
【最期のチャンスにかける】ページに行くしか有りません。
1コマ目が写真のようにほぼ広がったら、ほぼ垂直にアイロンをほぼ当てます。※ほぼ、ほぼTVCM・・・。
30秒ほどそのままにしている間に次の2~3コマ分拡げておき、1コマ目が少々伸びたら、拡げた部分にも置きます。
アイロンを垂直に降ろして、擦過傷を作らないように慎重にアイロンを置きます。
全てのコマにかぶせたら、1分程度毎にアイロンを少し上げて平面化の様子とフィルムの膨れが無いかを見ます。
カールの強いフィルムは、1スリーブアイロン後、「時間勝負のSCAN」でお願いいたします。 |
<割れるフィルム>
乾ききって、フィルムに弾力が無くなり、アイロンする際にパリパリと割れるフィルムは
最後の手段、「お湯付け」方法しか無いと思います。
しかし内部で完全分離して丸まってしまい、ベースフィルムがパリパリと割れる場合は下記のリンクのようになって
ビネガー復原アイロンは全く役に立ちません。
こうなったフィルムは、裁断して多少なりとも部分を救出できるか、ゴミ箱かどちらかになります
★★伝説の最強・最極悪のフィルムが遂に登場 をご覧下さい
SCANの際にガラスで挟むと「パリパリ」音が出てベースフィルムにヒビが入っていくのが聞こえます |
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ビネガーアイロン後、大抵のフィルムの表面に化学物質(酢酸固形物含むと想像)??が溶出します |
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衣類用ベンジンをデジタル用クリーニングペーパーに含ませて清拭します。
感光剤面は絶対に清拭しないでください。
衣類用ベンジンは薬局にあります。
※スーパー的な薬局には無い場合があります。
↓綺麗に取れました。 |
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↑製造終了で2020年現在、入手が不可能になりました
代品は最下段の<クリーニングペーパー>のリンクも参考にされてください |
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↑ 衣料用ベンジンで清拭し、少しでも画像を綺麗にする |
↓ガラスフォルダに挟む時のピント精度を上げる |
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↑ガラスフォルダの空間作りの犯人はパーフォレーションも一因と、カットに踏み切る (上記ベンジン清拭18番コマ)
但し、EPSONGT-X980などパーフォレーションを押さえるタイプのフォルダの場合、使用できなくなりますのでおやめください |
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↑パーフォレーションのカット有無のSCAN状況 ※ガラスフォルダ挟み D850スキャン |
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↑上記右側のコマをトリミング(レベルを少々いじっただけでシャープやレタッチは無し) |
以下、お預かりしたネガを上記の方法で |
ビネガーアイロン伸ばし→衣料用ベンジン拭き→パーフォレーション切り落とし→
NikonD850にてガラスフォルダSCAN→階調の反転→白黒化→レベル調整のみを行いました。
※シャープマスク、キズのレタッチなどは一切行っていません。全コマが蘇生し、記念に全てを掲載いたします
==============↓↓元のフィルムは↓↓全てこの状態でした↓↓================ |
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↑ 村樫 様はほぼ平坦になったフィルムを御自宅にお持ち帰りされました。(平面化写真撮り忘れ)
村樫様が御自宅へ持ち帰られた20時間後のフィルム |
<激御注意>
ビネガーフィルムは平面化後、湿気を吸って再度丸まろうとします。
このため、1スリーブ毎にアイロンしたら速攻スキャンする。これが大事です。 |
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↓↓アイロンして約1ヶ月経過した状態 |
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↑初回フィルムアイロン実施後約1ヶ月後の状況+再アイロン1本。
↑このフィルムは両側のカールが強く、「送り穴」をカットして、ガラス挟み用にしたものです。
フィルムによって様々な状況です。キャンは初回で伸ばして直ぐ実行して下さい
初回アイロンでほぼ平面を保ったままのフィルムや再アイロンでほぼ平面化しても
余り戻り状況の良くない上に1時間後にΩ形に戻ったフィルム再アイロン1時間後の極悪スリーブもあります |
↓↓※このスリーブの微少なひび??のようなとしか表現できない緑線囲みのもの(他のフィルムには現れていない)
アイロンが原因なのか、発現がこのスリーブだけなので、、原因の特定が難しいです。
既に衣料用ベンジン清拭後です。
< COLOR="#990000">実際スキャンして横1080pix-72dpi基準でトリミングしたものが写真1~4です。 |
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↑写真番号-01 |
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↑写真番号-02 |
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↑写真番号-03 |
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写真番号-04 |
西武安比奈線のトロッコ現場のページへ ※上記の写真番号1~4も含まれます。 |
まぁ、得意とする?通常のお酢臭いカーブしたフィルムの「ビネガー復原アイロン」の例
※フィルムはお客様A様のです。 |
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↑お酢臭く反り方もこんな感じの方多くありませんか? |
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↑感光剤面を上にしてビネガー復原アイロンを上からそっと載せます |
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↑1分経過 ちょっと覗いてみます。まだ抵抗?しています。キッチリ行ってみましょう。 |
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3分後、即座に扇風機で急冷。表にしたところ。ほぼ、ほぼ平面ですかね。
ガラス挟みスキャンの場合は、押さえてしまうので【急冷】はそれほど問題になりません。
こ結果、フィルム復原アイロン使用で酢酸活性度極低下も同時達成!!
※ビネガーフィルム復原アイロンにニフトロンテープを貼っています。
※フッ素耐熱テープ→ビネガーアイロン組立キットページの最下段に説明あり |
関連の各ページへ 2024.06.24補訂 |
■ビネガー復原アイロンキット本体の紹介→こちら
■ビネガー復原アイロンキットの効能概要
(1) 円弧状からエンピツ状まで、弾力の残ったフィルムの平面化
鉛筆的に丸まったフィルムを救出→鉛筆状に丸まったフィルム
(2) フィルム内で活性化している酢酸の活性度を極限まで低下させ延命
※店主のビネガーフィルムは約10年以上前の処理開始以来、全て変化無く延命中
▲パリパリ系のフィルムSCAN??
フィルムのビネガー最終形の寸前→ラストチャンスに賭ける
ビネガー最終形の固化フィルム →最強・最極悪のフィルム
(3) 一気にビネガーフィルムを処理
大判ビネガー復原アイロンキットで、一旦加熱、酢酸を蒸散?活性度を極低下させる。
グラシン紙スリーブにして長期間保存可能(なはず)
※再度、ビネガー復原アイロンキットで再加熱してSCANすればOKかも
※湿度管理と定期換気が条件 |
■ビネガーアイロン・SCAN時の必要品
(1) 保存用の収納スリーブ
グラシン紙スリーブしか無いと考えています→グラシンスリーブ
(2) ベンジン
衣類しみ抜き用等、薬局で購入可能
(3) クリーニングペーパー
ベンジンを含ませて、清拭時に糸屑の出ない極細化学繊維のペーパー
が最適です。
(4) エアコンプレッサー
スキャン時のゴミ飛ばしに模型用の小型コンプレッサーをお勧めします。
コンプレッサーの例:エアテックス APC001R2(ヨドバシカメラにリンク) 等の低騒音型
模型用?と本職用?は口径が違い、互換用の接続器具に合ったものをお探しください。
購入時に口径と接続部分は充分に御注意下さい。
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■スキャン方法と機器
SCAN解像度について→メーカー解説はその場限りの解像度
(1) エプソン GT-X980/970 →概略的に →実践的に →設定方法のキモ
(2) アイロン後に湾曲残るフィルムはガラス挟みスキャンで→ガラス挟みSCAN
(3) 高画素のデジタルカメラでSCAN →NikonES-2
(4) RAWのネガ反転ソフト→RAW反転ソフト
■データ保存は→こちら
■SCANデーターの命名規則等→こちら
■USB接続機器の取り外し方→こちら
■ハードディスクの収納装置→こちら
■パソコンを自作する→こちら |
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※店名略称:フィルムスキャンs、通称店名:鈴木写真変電所
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