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EPSON GT-X980使用 ガラスで押さえてフィルムをスキャン
ビネガーアイロンキットご購入者様用フォロー
誤解を避けるため、アンシャープマスク掛けた画像を追加しました。
Ver1.15-2021.11 |
【ガラスで挟んでフィルムを極力平面化したい】
◆基本、ビネガー復原アイロンを使用したフィルムを試験対象にSCANしています。
※ブローニなどの一部掲載写真はアイロンを使っていないのもあります。注釈付
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ビネガー復原アイロンキットを発売し、アフターフォローとして村樫四郎様のアドバイスを頂いて、
ガラスでフィルムを挟むSCANに方法に挑戦しましたので、ご報告いたします。
【ガラススキャンの問題点とビネガーフィルム対策】
■ニュートンリングの発生と回避
■ビネガー復原アイロンを使用し、時間経過で、再度、丸まるフィルム
■パーフォレーション(送り穴)を切取って、EPSON GT-X980の標準フォルダが使えない フィルム |
【本ページの要旨 】 |
(1) ビネガー復原アイロン(キット)でフィルムを平面化すると共にフィルムを乾燥させて活性化した酢酸成分を極低下させる※
※ビネガー復原アイロンでフィルムを充分乾燥させる事により、ニュートンリングの出現率が低下します。
・熱によるカラー粒子の変化までは追跡調査していません。←言い方悪いですが、大抵既に変退色していますので、
最近(2020.05Up)のカラーネガフィルムをアイロン後スキャン→RAW反転の例をご覧ください
・乾燥させて表面に析出物が出た場合は、ベンジンで拭き取ります。裏面のフィルム感光材面は拭かないこと!
※保管中の湿気によって再度進行する場合もあり得ます。 |
(2) 可能ならば
ガラスフォルダ(下記記載)を使用して極力、平面を出してスキャンします。
簡易的にガラス面の高さ調節をする場合は「マスキングテープ」積層により、高さを調節します。
※ EPSON GT-X980のフォルダ高さ調節より細かく設定可能です。 |
(3) アイロンしたフィルムはグラシン紙スリーブで湿度調節しながら保管します。
(4)ビネガーシンドロームのフィルムは正常なフィルムに比較すれば、ミクロン単位以上~で寸法は変形しています。
【ご注意】
フィルム送り穴が丸まっている場合の対処については→ビネガー復原アイロンキット頁をご確認ください |
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本ページの写真については複写転載禁止です。←書きたくは無いんですが。 |
ニュートンリングについて
※下記の例は6×7ネガの画像です。ノンアイロン
本ページのSCAN画像は特記以外【アンシャープレ点外し】です |
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◆ガラス面にフィルムの一部が密着することで光の乱反射が起こり、シャボン玉の虹のようなものが発生します。
これをニュートンリングと呼び、ガラスでフィルムを挟んでスキャンする際の大敵となっています。 |
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↑キッチリ、ビネガー復原アイロン(キット)で乾燥させたぜぇ~ぃ。やっぱり、ニュートンリング消えたぜ~ぇぃ |
◆ニュートンリングを防止するためには
フィルムが乾燥していれば出現率は低下します。
ビネガー復原アイロンキットの使用を推奨します。(熱によるカラー粒子の変化までは追跡調査していません)
ガラスと接触させないようにすることが基本です。といっても事実上見えませんから、発生する場所の事前察知は困難です。
◆基本、ビネガーアイロンを使用したフィルムを対象にしています。<
(1) ビネガーアイロンの使用で、フィルムが乾燥し、ニュートンリングを起こりにくくします。
(2)ほぼ、平面(極緩い凸)か緩い凸形カーブのフィルムを念頭にしています。
◆店主試作の概略図を下に示します。
■簡易的に下駄を試作する場合
「マスキングテープの積層」で行えます。(下記に記載)GT-X980の可変下駄より細かく調整できます。
■ プラバン積層による高さ調節下駄の製作
接着剤は全て瞬間接着剤を使用しています。スクレーパー(キサゲ)等使用工具など、別途ページを立てて解説予定です。
(1) 2mmまたは3mm厚ソーダガラスに各機に合わせた高さのプラバン切り出しの下駄を履かせます。
(2) フィルムを置く側のガラス面にはフィルムを置く際のストッパー兼凸空間確保のための0.2mmのプラバンを両側に直線に接着します
(3) 下駄の高さは、お持ちのGT-X980、GT-X970に合わせます。
多少違うかもですから、高さをフィルム面まで3.5mm程度の前後を0.2~0.3mm単位で下駄の高さを変え、一番良い高さを絞り込んで下さい。
さらに0.1mm単位での絞り込みも良いとは思いますが・・・下の項に「思いますが」のキモを記載しました
GT-X980の可変下駄より細かく調整できます。
(4) 光源側のフィルム押さえガラスはスリガラス状の細かい突起を作った「ノングレアガラス」を使用します。
フィルムの凸部の上面にして接触を微少な点?単位で押さえニュートンリングの発生を抑えます。
フィルム下面はプレーンガラスと逆凹形または「乾燥」状態で接触があるかないか??
※SCAM時に大抵、フィルムの反りから、裏面置きしたSCANになりますが、ソフトで「左右反転」して下さい |
■パーフォレーションを切り落としたフィルム↓↓もキッチリSCANしたい、して頂きたい・・・。
このガラス挟みで解決しそうです。
■最下部に極悪ビネガーフィルム最終形進化中の、寸前救出SCAN掲載しました。 |
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■折角ビネガー復原アイロンキットでフィルムを伸ばしても、時間経過で戻るフィルム対策
自信のある方は3列同時スキャンも可能です。
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【製作の統一した注意点】
フィルムストッパ設置位置が僅かに歪むと、「ゆがみ」がフィルムが斜めになって、スキャンの範囲の減少に響きます
3M社のマスキングテープ等で仮置き、仮止めを行って、正確な位置決めして瞬間接着剤を使用します
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↑フィルムを正確に置かないと斜めにプレビューされる
ガラスを置くための治具等を作成するのが早道かも。 |
EPSON GT-X980・970のレンズの特性使い分け
■■■■■レンズの切り替え構造板づくり■■■■■ |
【GT-X980・970のレンズ使い分け】
●フィルムフォルダー用レンズ:被写界深度の深いレンズ
●エリアガイド装着時用レンズ:画角が広いレンズ |
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↑↓ 検知穴は1.0mmです。 |
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EPSONのフィルムフォルダーを完コピすれば出来上がり
赤枠部分【上部凹部~検知穴部分~ガラス部手前5mm】を別途作成すれば、
使い分け使用が可能です。フォルダー本体と同じく切り欠きは重要です。
この部分は黒色の厚手ペーパーで充分です。
※穴はゼムクリップをのばしてツンツンして印して、1.5mmのドリルで揉む。
または危険覚悟で、クリップを真っ赤にして一気に焼き切る(水は脇に置いて!)
写真は2B用。この程度のダサイ工作でも大丈夫 |
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↑エリアガイドとの相関関係の説明写真です。重ねて使用するのではありません |
その1 お勧め【フィルムフォルダ使用】設定
【フィルム用のレンズ】使用 ※被写界深度深い |
ガラスフォルダを作成。
下駄により、ノングレアガラスでで押さえても、Ω形になって
底ガラスにフィルムが接触する面は極小に近い状況多し
→ビネガーアイロン効果+ニュートンリングの発生抑制 |
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●●実績ではビネガー復原アイロンキット後の白黒フィルムで、
ニュートンリング発生が【記憶にございません】←中井貴一か?
● ノングレアガラスとGT-X980の間に0.2mmのストッパ兼空間保持高の下駄かせています
● 押さえるガラスはノングレアガラスで概念上、フィルムと点接触になる
● フィルム厚さを0.1mmとすると差し引き0.1mmの空間が出来ます。
押さえられたフィルムの凸の自由度0.1mm。
●隙間の差引0.1mmはフィルム用レンズの被写界深度内のはず
●フィルムが凸形状により、下面のGTのガラスにほぼ密着しない。
◆このフォルダで密着押さえを試したい方は0.2mm厚のストッパ兼空間保持下駄を撤去してTRY ●●ソーダガラスの部分を3mm厚の高透過ガラスにされることをお勧めします
※販売店: (株)コダマガラスさん2019.11現在
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都度作る! 簡便な下駄作り |
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DIYのお店で売っているスリーエムのマスキングテープ |
重ね貼りしてノギスではかり、単純に割り算すると約0.078mmの位の厚さです。
2枚重ねると0.156mm、3枚で0.234mm下駄が簡単に素早く、安価にできます。
※ちなみに、6枚重ねで0.5mmに欠け、7枚で0.5mmをオーバーします。
ノングレアガラスとの蝶番に使用する場合は、底面ガラスの下駄の部分を蝶番の分だけ切り欠きします。
※欠かないと蝶番相当のテープが重なり、下駄の厚みが変化します。
力を入れて引っ張って貼らないようにして下さい |
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GT-X980ガラス面からフィルム下面までの下駄の高さの検討
ちなみにEPSON GT-X980のフォルダの高さ調節は約0.5mm単位です。
SCAN設定:アンシャープのレ点除外、白黒48bitカラー、4800dpi |
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↓拡大 |
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【フィルムの置き方とガラスの厚さ2種】 |
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レンズはフィルムSCAN用 【フィルム下面までの下駄の高さの結果】 |
EG:00mm=GT-X980のガラス面に直接置く「エリアガイド」方式SCAN。
その上にいきなりノングレアガラスを直置きしています。
レンズは反射原稿用(ペーパー用)に切り替わる。 |
2.0t、~FH3.2~の記号の意味
「フィルムフォルダ方式」下駄を履かせた2mm厚のガラスSCAN。フィルム面までの高さ。下駄は1.5mmです
ガラス厚2.0mm、3.0mm、3.2~3.5の数値はスキャナーガラス面から、下駄ガラスのフィルム面までの高さ。
計算は各ガラス厚を差し引いて下さい。
EPSONのフィルムフォルダーの調節足は約0.5mm刻みです。この方法で、もっと細かく調整できるのがミソ |
【下駄の高さについて】
※所有機種で異なる場合があるかも?
店主のGT-X980には1.5mmの下駄+2mmソーダガラスまたは3mmガラス+1.4mmの下駄が合っているようです。
なお、下駄が1.5mmで揃えられなかったのは、資材+カネと時間不足のため、見切り掲載です。
【ガラス間の高さについて】
ガラス面と押さえのノングレアガラスの間の隙間は0.2mmとしました。
これはNikon 8000・9000EDのガラスフォルダの隙間を参考にしています。
【フィルムの厚さについて】
村樫様から頂いた詳細なフィルムの厚さデーターから
代表的な銘柄ネオパンSS、TRY-Xの35mm白黒0.13~0.14mm、ブローニーは0.12mm辺りのようです。
【挟まれたフィルムの湾曲】
0~0.1mm以内(▲フィルムの厚さ)となりますので、
下駄の高さだけでピントの評価は出来ません
【下面のガラスの厚さについて】
■2mm、3mmの厚さを選びました。光量落ちとか結像等の影響を比較しましたが、違いを見つける眼力はありませんでした
■ なお、ソーダガラスの青みをを気にされる場合は
「高透過」ガラスという商品が存在し、ソーダガラスより素晴らしく透明です。 |
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ペッタリ置きか0.2mm下駄で
【フィルムエリアガイド使用】設定 【紙スキャン用レンズ】 ※被写界深度浅い |
※スキャナのガラス面に直接フィルムを置く方式 |
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↑下駄を履かせることでニュートンリングの発生を抑制します |
↓↓SCAN時アンシャープ処理のレ点は外してスキャンした画像です。
フィルム個々の状態もあるので、これが全ての結果ではありません。 |
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試作ガラスフォルダSCAN
レンズは<フィルムSCAN>用
<ゲタガラスの上にフィルム+ノングレアガラス フィルム厚さを0.1mmとすると0.1mmの隙間が出来る
ニュートンリングは少ないゲタガラスの上にフィルム+ノングレアガラス> |
直置きSCAN
レンズは<紙SCAN>用
フィルムをベタに置いて、そのまま上からノングレアガラス
隙間は理論上mm
ニュートンリングが一番発生し易い方法 |
↓↓上記のコマにスマートシャープを150、1.0をかけてみました。
毎回各コマ切り出してますので若干範囲違います |
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※加工してから適切な値のアンシャープを掛けます |
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必要なガラスの種類や大きさと調達先について |
■35mm 1列スキャン用の店主的なお勧めサイズ
幅60mm~70mm、長さ240~250mm位がお勧めと思います |
■2B(ブローニー)スキャン用の店主的なお勧めサイズ
幅70mm~80mm、長さ240mm位がお勧めと思います |
■35mmスキャンで3列一括狙い
GT-X980の3列サイズフォルダを参考にお決め下さい。下記に主要寸法記載 |
■必要なガラス
下記の紹介ガラス店のオーダー名で記載●●は御希望のサイズ
(1) 透明ガラス 2mm厚 四角形 横●●mm×縦●●mm、全周糸面【C】
※透明度抜群の3mm厚の高透過ガラスの検討も。(下記コダマガラスさん扱)
(2) 反射防止処理ガラス 2mm厚 四角形 横●●mm×縦●●mm、全周糸面【C】
※(1)、(2)は同じサイズで製作されるのが良いと思います
※全周糸面【C】:ガラスの角を全周に渡って、ざっくりと削る処理です。これで安心?
目安ですが2019.09現在、店主が下記の店舗から購入した価格は
(1) 2mm透明60×240mm ¥約590/枚
(2) 同3mm ¥約660/枚
(3) 反射防止(ノングレア)2mm寸法同上 ¥約810/枚
消費税、送料、梱包経費別加算です。
※お節介ですが、同種が2枚以上の方が、何かあったとき助かります。
【注文した店舗】
オーダー板ガラスCOM (株)さん
■フロートガラス(透明ガラス)ページ
■ノングレアガラスページ
村樫様に御紹介頂いて店主購入、御紹介まで。
■高透過ガラスについて
(株)コダマガラスさん
3mm厚の高透過ガラス、扱っておられます。
村樫様に情報を頂き、店舗に確認しました。2019.10.31
※ノングレアガラスは無反射ガラスとネット表示されています |
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フィルムフォルダ形式で3列同時にスキャンする場合
店主は作成・実験をしておりません。想像で書いております |
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↑3列の場合ガラスのたわみも関係しますので、厚さ3mmが良いかもと思います。
但し、光透過の関係が気になる人もいるかも・・・。この場合は3mm厚高透過ガラスがお勧めです。
フィルムのクセが悪いと押し返しが厳しいので、固めのスポンジなどを配置して蓋の圧力で押します
2mm厚でもやれるぞ!という方は「たわみ」と下駄の高さに注意して頑張って下さい。
フィルム面のガラスの下面には、たわみ対策として、周囲の他、中央の隙間に下駄を入れる必要がありそうです
ベースのガラス面にどこかが密着すれば、そこにニュートンリングが発生する可能性があります |
エリアガイド方式で本体ガラスに3列または4列ベタ置きする場合 |
■GT-X980・GT-X970共通
(1) ノングレアガラスの調達
フィルムフォルダの範囲内の寸法で「ノングレアガラス」を調達します
(2) フィルムフォルダの作成
0.2mmのプラバンをでフィルムフォルダと同様の形状に切り抜きます。
切れたようで直線に切れません。直線に切るのは非常にやっかいです。バリ取りも行います
※これもマスキングテープ代用も検討の余地があります。
て検知穴付近のパーツを作成します。
検知穴周辺をマスキングして黒つや消しスプレーで塗装します。余裕があれば全塗装がお勧めです。
「通常・サムネイル形式」の両方とも個々のスキャン枠の傾きは修正できないので、
キッチリと作成することが重要です。
(2) SCAN
枠内にフィルムを置いて上からノングレアガラスを置いて 「通常」か「サムネイル形式」でスキャンします
ただし、本体のガラス面にどこかが密着すれば、そこにニュートンリングが発生する可能性があります |
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関連の各ページへ 2024.06.24補訂 |
■ビネガー復原アイロンキット本体の紹介→こちら
■ビネガー復原アイロンキットの効能概要
(1) 円弧状からエンピツ状まで、弾力の残ったフィルムの平面化
鉛筆的に丸まったフィルムを救出→鉛筆状に丸まったフィルム
(2) フィルム内で活性化している酢酸の活性度を極限まで低下させ延命
※店主のビネガーフィルムは約10年以上前の処理開始以来、全て変化無く延命中
▲パリパリ系のフィルムSCAN??
フィルムのビネガー最終形の寸前→ラストチャンスに賭ける
ビネガー最終形の固化フィルム →最強・最極悪のフィルム
(3) 一気にビネガーフィルムを処理
大判ビネガー復原アイロンキットで、一旦加熱、酢酸を蒸散?活性度を極低下させる。
グラシン紙スリーブにして長期間保存可能(なはず)
※再度、ビネガー復原アイロンキットで再加熱してSCANすればOKかも
※湿度管理と定期換気が条件 |
■ビネガーアイロン・SCAN時の必要品
(1) 保存用の収納スリーブ
グラシン紙スリーブしか無いと考えています→グラシンスリーブ
(2) ベンジン
衣類しみ抜き用等、薬局で購入可能
(3) クリーニングペーパー
ベンジンを含ませて、清拭時に糸屑の出ない極細化学繊維のペーパー
が最適です。
(4) エアコンプレッサー
スキャン時のゴミ飛ばしに模型用の小型コンプレッサーをお勧めします。
コンプレッサーの例:エアテックス APC001R2(ヨドバシカメラにリンク) 等の低騒音型
模型用?と本職用?は口径が違い、互換用の接続器具に合ったものをお探しください。
購入時に口径と接続部分は充分に御注意下さい。
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■スキャン方法と機器
SCAN解像度について→メーカー解説はその場限りの解像度
(1) エプソン GT-X980/970 →概略的に →実践的に →設定方法のキモ
(2) アイロン後に湾曲残るフィルムはガラス挟みスキャンで→ガラス挟みSCAN
(3) 高画素のデジタルカメラでSCAN →NikonES-2
(4) RAWのネガ反転ソフト→RAW反転ソフト
■データ保存は→こちら
■SCANデーターの命名規則等→こちら
■USB接続機器の取り外し方→こちら
■ハードディスクの収納装置→こちら
■パソコンを自作する→こちら |
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※店名略称:フィルムスキャンs、通称店名:鈴木写真変電所
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