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広島電鉄 アルナ工機車両の納入全盛→最終期
2022.01.12 Ver2.60
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ぐり~ん らいな~ 3700形・3800形・3900形 / Green Liner3950形 |
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↑広電の本格3連節車 3000系列のトップバッター3700形3701 |
【試作車3500形】※店主は3500形を見てもねぇ~、乗ってもねぇ~です。
長らく路面電車の製造が絶え、更新修繕のみの状況が続いて、諸外国の先進的な路面電車と技術力の差を縮めるべく、(社)日本鉄道技術協会が運輸省※の打ち出の小槌である(社)日本船舶振興会から資金の助成(1978年度から3年間、総額8,300万円)を得て、開発名称を「軽快電車の構成要素の開発」とし、鉄道関連メーカー各社(川重、東急、アルナ、三菱電機、東洋電機、富士電機、住金、日本エアブレーキ、 日本信号、京三)の参加で、我が国の20年の空白を埋め、欧州製のLRVに比肩する技術の立証のため、新しい機構の路面電車の開発研究を開始した。
※※運輸省が国土交通省に合体させられたのは2001年(H13)
【研究開発項目】
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(1)小型高性能台車
要素ごとの性能確認、組み合わせごとの効果測定、台車試験台により騒音振動を測定の上改善 をはかる
(2)高性能制御装置・ブレーキ装置
なめらかな効果減速性能の確認測定
(3)高性能運転台周辺機器と配列
運転制御とサービス機能制御の容易な操作性び実験による確認
(4)空調機構
換気・冷感・暖感などの限度確認と適度発掘
(5)架線その他影響調査
サイリスタその他新規な各種機器の実用影響調査と対策検討
(6)車内設備
空調効果、照明効果の確認
組み上げ後、川重兵庫工場及び広電線路上他で現車走行試験、解析を行い、所期の性能を確認
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1980年8月に広島電鉄をテストフィールドとする3500形が完成、1980年(S55)8月6日に公式試運転、12月21日から営業運転に入った。
単車タイプは長崎電軌に納められて2000形として完成し、同年8月9日から営業に就いた。
広電向けの試作車両は参加各社の情報連携が甘かったらしく、技術集団は2連接車で設計、試用する広島電鉄が3連接車を望んで結局、お金の期限迄に出力増強の設計変更が困難なため、無理栗、無動力中間車1両を差込(連接関節に載せた)ため、「軽快」どころか「ばんえい競馬」的な低加速電車となってしまった。
結果、当初の目標に加速力が届かず、T車抜き相当の試験が終了した後?広島電鉄が譲受した。
しかし、所要性能不足や初期のあるある故障が出て、段々と使用されない状態になり、2012年後半に営業線路上で故障し、牽引収容されて現在は荒手車庫の一角で9年間(2021年現在)、白雪姫状態?の休車となっている模様。
※この項は助成金支出団体資料を引用及び、鉄道ピクトリアル443号の日本の路面電車90年
越智昭様文献より開発参加社、就役日付を引用しました。御礼申し上げます。 |
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↑↓1000形、5000台の超低床車両以外の高床車両は補助ステップを全車装備している |
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↑コロナ換気のため運転台両脇の窓を開けて運転中の姿
車端の隅切りと窓開扉のアイディア。その昔、札幌市電(ページへ)も同様に開けていた。 |
3500形が試用される一方で広電では3500形の車体構造の良い部分を抽出、旧型吊掛車の部品を再用して冷房付きのボギー単車700形を1982年にデビューさせ、翌年の707号まで2回に分けて増備を重ねた。
その間、宮島線直通用の車両が検討されて、1984年(S59)に抵抗制御、カルダン駆動で3700形が登場。
しかし、その前年に半導体制御の800形が2両就役しており、技術的には古い設計の形式となってしまった。このため、3700形の設計料か仕掛かり品を使い切るのか?泣く泣く5編成?が登場した。1986年(S61)の3703Fが増備された後、3801Fが早々に就役している。
これは800形が1983年(S58)に登場して半導体制御の整備のコツを取得したからだろう。
以降、1985年から毎年1編成が増備され、増備最終年1987年(S62)の06月30日※に3704、3705の2編成が同時に竣工し、合計5編成で増備は終了した。
宮島線直通列車を主務としているようだが、訪問時、朝夕見かけるだけで全日走行していないのでは??と、思われるご老体のよう。※店主が見ていないだけなのかも・・・。
当時、斬新な塗色も他形式に比べて、いまでは古めかしく見えてしまう。
3700形の形式番号の不思議:何故か順当に行けばの形式番号として3600形が飛ばされている
※鉄道ピクトリアルNo.496、P219より |
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↑3連接車は運転方向の次位の片開き扉及び中央のC車の両開きが乗車専用扉となる。 |
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↑ひらがなで表記されている |
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↑ライトケースが1983年(S58)製造の801~2の凹みに枠を付けだだけのダサ~ッダサのデザイン |
2021年現在、3701号は製造初年から37年経過、最終編成の3705号も34年を経過。
非省エネとされる抵抗制御車、超低床車の増備のからみで、このまま廃車されるのかも知れない |
=====3702F、3704Fは撮影できませんでした===== |
【側線】 軽快電車vs.そのような名称はないけれど・・・。
当時のマスコミで次世代路面電車登場?の記事が溢れる中、軽快電車的な高床式路面電車構造の車両を同一年の1980年(S55)に名鉄-日本車輌が岐阜市内線、美濃町線(架線電圧600V)、鉄道線(1500V)の犬山線新岐阜駅までに乗り入れる複電圧直通車両としてモ880形をデビューさせた
なお、日本車輌は軽快電車の開発メンバーには加わってはいない。
双方を比較すると試作研究的な斬新な機構※を軽快電車は取り入れる一方、名鉄-日車は走行装置は手堅く直流直巻、中空軸カルダン駆動、パンタグラフ集電等在来技術を継承した。
※車体以外に新開発のZパンタ、運転台のノッチ。ノッチは某急ファンだった店主からすれば800形が元祖の東急車輌(開発メンバー)が一枚かんでいる?
名鉄では5編成を一挙製作して鉄道線乗り入れの路面電車として活躍を始めた。
但し、鉄道線内の最高速度も路面と同じ40km/hであった。
さらに広電3700形の最終増備車が登場した1987年(昭和62年)に名鉄-日車は岐阜市内線、揖斐・谷汲線直通用にモ770形を4編成登場させた。こちらは広電宮島線(最高速度60km/h)と同じく、鉄道線を最高速度70km/hで走行できる高速性能を持たせた。
両者の舞台は最高速度や鉄道区間(広電は複線MAX60km/hと揖斐谷汲線は単線MAX70km/h)の乗り入れは似て非なる状況。名鉄は高床ホームで車体から水平にステップを出して段差を無くしたが低床ホームではステップ階段方式を採った。
かたや、宮島線は全駅低床ホームだが、低床化のために台車と駆動装置を大幅に変化させることは時間的にも出来なかったようで、乗降に関しては構造的に名鉄車両と同じになっている。
店主が思うに技術協会-ナニワ(その他含む)vs名鉄-日車は同業者として技術、デザインの競作で技術者の矜持がバチバチと窺える部分がある。
日車は小規模市場での競合を避け、名鉄とその後に古くからのお付き合いの富山地方鉄道に納入した程度で、路面電車の製造には手を出していない。名鉄にお付き合いの片手間程度のスタンスだったのでは無かろうか?それとも路面電車市場がほぼナニワの手に握られていたのか?
片や技術協会のメンバー社は、試作2形式を踏み台に拡販に踏み切ろうとギラギラしていたと思われる。
同年代の比較として忘れてはならない対決?とは思う店主
さて、現状としては
補助金開発電車2種(広島・長崎)は既に運用から外れ、かたや名鉄車両は全車、福井鉄道で稼働中で2021年(R3)にモハ888Fがノッチ操作で加速キザミ3段、電制キザミ2段を行い、空制は在来のブレーキで行うVVVF制御化され主電動機を省電力出力アップの交流モーター化された
高床構造のハコを維持しながら延命される状況で、この点は経年で制御器を随時最新のSic素子に変更している広電3900形と同様のよう。※製作所は同じ東洋電機 |
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3800形 |
VVVF制御、交流誘導電動機(東洋電機TDK-6300型系列?)の走行品を使用した広電初の系列。
3700形の最終3704、3705が出場する前に3801が出場している。
さっさとVVVF制御の車両も投入したかったということ?
1987年(S62)に3801~3、1988年(S63)3804、3805、1989年(H1)は3806~3809、合計9本
が製作された。ちなみに3801号は搬入1987(S62.03.26竣工)、訓練で5月22日から営業を開始
3802:1987(S62).11.05竣工、3803は同月10日竣工
※鉄道ピクトリアルNo496、P176、P219による |
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↑前面ガラスはめ込み範囲変更と塗色デザインを変更、クリームマシマシ、グリーン少なめで明るい軽快な感じに。
↓再掲 |
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↑3801のもの |
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↑↓広告車は「ぐりーんらいなー」の表記が無いみたい。
3802は車号を塗りつぶし、左下に小さく書き直す大胆さ
ライトハウジング:3801~3は単車800形Ⅱ803~の前面をコピーデザイン
3804~は805~と同様。まぁ、設計、製造時期が近ければ、同様にしてコストダウン。 |
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↑↓窓が多く開く、今のコロナ渦にはこうじゃ無くては。雨天どうするで、片側2車体にヨロイ窓が |
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↑3連接車は全形式が前後の扉が降車(運転士または車掌)、中央2カ所が乗車専用扉と統一されている
なんと2005年(H17)まで宮島線の3連接、5連接車は朝、夕、先頭車次位の入口扉に車掌が乗務していた。
降車の多い主要駅に改札ゴロゴロカートを導入して対応した。
車掌台のスペースが窓配置で判る。5200形からはその部分が客座席となって懸案の着座定員を増やした。 |
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↑↓前面両サイドの小窓換気開放中 |
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店主思うに、この3800形までが当面5200形(その後の新形式出るか?)の代替対象になりそうな気がする
3700形は直流モーターでこの先・・・。でも3800形の半導体主制御器の更新は未実施。3900形が先を越している。 |
3900形 |
1990年(H2)~1996(H8)まで8編成が製造された
3700、3800との相違は窓ガラスを方向幕まで一体大型化させた
ワイパーが2連でゴムを寝かせ形状に変更、ウインドウォシッャー吹出口
の位置が変わった。清掃用?の掴み棒が無くなった。番号位置、大きさも変わった。
一方ライトケースがしょぼくなったデザインに思えるのは、店主だけだ 老化 ろうか |
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↑↓3900形はモーターが60KW×4から85KW×4にアップされ加速減速(回生)力が向上した |
なお、順次、最新のSicタイプ素子を使用した主制御器に更新され、主電動機は1編成分を新規作成(TDK6305-A1)して、以降の更新車は降ろしたモーターを絶縁更新等整備し、順送りで積み替える予定。
更新トップバッターの3901編成は2017.2.28から営業入り。2021.11現在、5編成が完了であと4編成になるが、3700,3800形を除いた高床直通車3900形+3950形の合計14編成も残すのか疑問でもある。
ちなみに3700形5編成、3800形8編成と5000形12編成で25編成。
これを5200形で代替するとしたら、単純計算で毎年、市内線用1000形2編成と併せて4編成を今後12年間作り続けるのか?予備車を削減したとしても10年程度、その後、3900形、3950形になるのだろうが、更新車は周辺機器関係なくとすれば、主制御器はあと15年以上の延命はOKになった。と言うわけで店主見立て。あと10年以上は直通用の高床車2車種が活躍か |
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↑たっぷりと広告料金を頂いてくださいね。 |
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↑他の空港にも設置されて張り合って?いるけど、店主は買っているのを見たことがない
設置料金(メンテ含む)と切符の売り上げ高はどうなっているのだか?
↓料金表を見る限り京急安いけど・・・。販売実績は?広電にバンバン広告車¥¥増やしてね |
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↑夜の宮島口行き 帰宅客で混み合っている |
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=====3906編成撮影出来ず==== |
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↑広電宮島口の新築開業した飲食施設 etto のPR車両 |
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↑3904Fから2編成連結可能な連結器が準備されていると言うが、まさかこれではないよね~↑↑
↑前面左側小窓換気開放中 |
3950形 |
1997年(H9)~1998年(H10) に6編成が製造された
車体から延長された形の屋根上機器カバーが取り付けられた
前面窓ガラス湾曲が強めのクセ入りに
ライトハウジングが変更になった。LOW、HIのライトを別にしたバス部品を利用
スタイルは3車体連接の中では新しいが、登場時、宮島線走行時の横揺れが激しく、
台車の改良が終了するまで、市内線に運用されていた。という。 |
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=====3952編成GETならず===== |
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↑再掲 |
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↑夕刻、広島駅からの帰宅客を乗せて |
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↑平仮名から英語表記に |
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↑屋根上機器カバーは最新の5200形にも受け継がれている |
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↑トロリーコンダクター制御のため、進行方向の集電装置を使用する。上昇、下降中の2基のパンタ
1998年(H10)製造のこの3950形3956号を以ってナニワ工機製の広電車両は現在、最終となった。
※独シーメンスの5000形の国内関与はナニワ工機だったが、何処までの関与かは店主不明。 |
【数字上は高齢旅行者?の乗り降りコメント】
【高床車両は元気元気】
2021年11月訪問した時、これら高床連接車、単車の扱いについて店主の感想
単純に見る限り、乗降に不自由を来す乗客はほぼ見受けられなかった。
一生懸命補助ステップを使っていたの店主ぐらい。高齢と思われる方々の乗降は慣れたものであった。
※不自由な方が全くいらっしゃらないとか、不要とか言う論点の話ではありません。
路面電車なので狭い車体幅、混雑時に乗務員のいる出口まで移動するのは難儀だが、それも地元の利用者は慣れているもよう。
超低床車両は数本に1本はやってくるので15分程度の待ち時間だが、電停は狭く、椅子は無い。
それなら、なんとか乗車したほうが立って待つより楽なのではないか?と思ってしまう。
広電の現業サイドはどうなのだろうか
超低床車より走行関係などは保守において寸法的余裕がありそうだ。乗務員は走行性能が良いので嫌う理由は少ないと思うのだが。店主の思い込みだろうか
部品がある限り、保守コスト面で有利な元京都市電が全車元気で運用されている、直流モーターの700、800形も活躍中。
3連接車両だが1両として扱う連接単車(店主造語)1000形も、5200形も補助金の関係で増備が進んでいるようだが、あまり性急に増備すると税金(償却資産)や運転コストが上がりすぎて、重荷になるような気がする。
コツコツ1900形や1両単位の動態保存車を代替していくのであろうが、5000形の大問題を抱えて、先輩の700形~3950形の高床(ステップ)車の代替どころではないようにも見える。
正直、現状を見る限り、高床単車や連接車をバンバン無くすことは拙速または難しそう。
【JR広島駅周辺の商業施設の開業問題】
紙屋町、本通に立地する商業施設のダメージは大きいと思われ、利用客の大減少にも繋がりかねない。特に若い世代の回遊が無くなりそう。
市役所周辺に通勤する朝夕の利用者の新交通アストムライン単なる乗り換え地点になってしまう
目前に迫ったコロナ渦より大きな問題が炸裂するのか、それとも大して影響なく過ぎるのか。
大して影響がないとすれば、利用者、商業施設の高齢化がじわじわ進む利用客減少であろう。
残るのは代行運転やタクシーを使う流川地区の夜だけが残るのか
このような環境に進むとすれば、広電は車両の取り替え=超低床車両の増備のための投資をどのように行っていくのか。
補助金つける側は、「今回は不要です」となれば、以降の補助事業打ち切りに繋がりかねない。復活はあり得ないだろう。使えば応分の新規負担が増加。悩まし過ぎる。
【PASPY問題】PASPY:スイカの地方版
ちょっと素人が考える
7~8年ごとにPASPYの維持管理に電車、バスで20億円を超えるコストが発生するので広電として廃止する。と社長が2021年初夏に発表した。
例として「QRコード決済」に移行したいとの事だが、使用するには画面を出さなければならない、店主の知っている限り、機器の反応が悪すぎる。
飛行機の搭乗のように、いちいちご挨拶を受けながらの余裕の乗降では無いのだから。
ご高齢者など画面出せずに、置く位置ずれて読み込み不可とかオタオタする乗客が続出ではないか?まぁ、大人数の連続スムーズな乗降はあり得ない。店主はQR決済を無理筋と考える。
不思議なのは他社のICカードは使えるようにしたいとのこと。??
アルバイトの運賃収集員を全列車に増乗車などで対処したら、多分PASPYの維持費とトントンとは行かないだろうし。
外国人研修生を受け入れて安価に人員を確保するのかなぁ~。言語が?寮の確保?・・・
やっぱり、現金と紙定期、回数券に戻すしか無いのでは???とか
一体どのように舵を切るのか?
行政の交通施策として国と地方自治体がPASPYの維持費を全額または大半を負担してくれるなら、折り合い点としてシステムは存続するのだろう。
東京、名古屋、大阪の3大都市のような人口圏勢ではあるまいし、店主は大も小も一緒くたにした議論はするべきでは無いと思う。
合理化で企業が儲かる的な前時代的な発想・視点から、今後、ますます厳しい人口減(乗客減)と高齢化による、公共交通の連携の利便性を高めるためのシステム維持のため、全額または大半の補助を国や該当自治体が補助するのは当然と思う。
それとも欧米で実行中の信用乗車制度がいよいよ始まるのか? |
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5100形以降の増備 |
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※店名略称:フィルムスキャンs、通称店名:鈴木写真変電所
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