福島交通 飯坂東線 蒸気762mm,電車1067mm併用区間
2024.05.30 Ver1.01
念のため:役所に提出した書類・図面ですので、現場との相違は良くある。が前提です
福島起点6哩付近にて一部線路変更並びに福島起点5哩53鎖10節(9,115.1m)より5哩75鎖90節(9,573.8m)間に762mmの併用軌道を敷設するもの※この間458.7m
併設理由
改軌・電化は福島~飯坂間であり、省線伊達駅から保原方面は762mmのSL+客車運行の為、保原方面の長岡分岐点~長岡車庫(伊達線分岐含む)を上記機関車及び客車を直通運転するため
なお、線路が重複する保原及び福島方面の分岐点である長岡交差点←→車庫←→伊達駅分岐点間を1067mm、762mmの併用にする
大正2年2月22日認可だが、鉄道連隊によるこの区間の改軌工事はきっと終盤だったのでは無いかなぁ~。
想像の理由としては第1次改軌、電化工事が既に終了・・部隊を習志野に返すわけが無いと思う店主
↑1067mmと762mmの305mmの間(一尺通)には適当な舗装(タイヤ落下防止)を施すこと。とある
自転車やリヤカーなどの細いタイヤの車両が多い時代は特に軌条間に挟まないよう。ということだろう
福島県知事の副申は(道路上の車体は)「1067mmのセンターより左側に寄るので事情やむなし、何ら支障はない」とした
↑45ポンドレールと18ポンドレールの高さの違いは
18ポンドレーの下に木製のスペーサーを入れて
高さをそろえる部分もあったと思われる図 
【申請書】(大正14年12月10日付)
大正14年10月16日付監2535号認可を受けて福島起点6哩付近に於いて一部線路変更並びに福島起点5哩53鎖10節(起点から9,115.1m)から同75鎖90節(起点から9,573.8m)に軌間762mmの併用軌道敷設をしたいので理由書と関係書を添えて申請します
【理由書】
大正14年10月16日付監2535号認可を受けて電化に伴う軌間1067mmに変更箇所は福島~飯坂間とした。
会社としては省線伊達駅から保原方面は軌間762mmにて在来の蒸気機関車及び客車の直通運転営業を致したく、福島起点5哩53鎖10節(保原方面分岐点※1)から5哩75鎖90節間(※2)だが5哩76鎖50節から分岐する在来の機関車庫及び客車庫線はそのまま使用したいので、この間迄(延長)併用する。
■最大の不明
第1図中(A)点(※3)迄762mm及び1067mm軌間を併用し、同(A)点に於いて左方、飯坂方面1067mm、右方、伊達駅方面762mm軌間に分岐すれば差し支え無きようになる。
その間に車庫への引込線分岐があるために、この分岐点(A点と思われる)に於いて甚だ複雑なる関係を生じ運転上危険がある)ので5哩75鎖90節から左に線路変更したいと記載があるが
※1 5哩53鎖10節 福島起点9,115.1m
※2 5哩75鎖90節 福島起点9,573.8m
    ※1~※2の距離は458.7m
※3 第1図中(A)点の(A)の記載がある図面は未発見

※5哩75鎖90節から左に線路変更を考察するに
単純に1067mm軌間の飯坂側に向かって右側に敷設されている762mm内側レールを左側に移行すると考えらるがそれでいいのかどうか?
【工事方法書】
(1)-1 福島起点5哩75鎖90節(9,573.8m)から6哩1鎖43節(9,684.8m)に至る延長8鎖89節178.9m(断鎖3鎖36節:67.6mを含む。断鎖を差し引くと正味は111m)を飯坂に向かって左に変更し、その延長は9鎖59節6とする←計算が合わない??店主の計算力不足。付属第1号図があれば・・・。
(1)-2~5は略
(2)762mm軌間及び1067mm軌間併用軌道敷設
(2)-1 福島起点5哩53鎖10節(福島起点9,115.1m)より5哩75鎖90節(福島起点9,573.8m)に至る22鎖80節(458.7m)間は762mmと1067mmを併用し、その方法は1067mm期間内に1方の軌条を利用し、1本通の同種の軌条を軌間762mmに敷設する
(2)-2 転轍器は既認可のものでその1組を以て5哩53鎖10節(福島起点9,115.1m)の点と5哩75鎖90節(福島起点9,573.8m)の点で分離使用する
(2)-3 轍叉は軌間1067mmより762mmの分岐する曲線半径の関係上、5哩53鎖10節の位置は3番を使用し、5哩75鎖90節の位置には6番を使用する
1 工事落成期日
工事の落成は工事施工認可の日より向こう1ヶ月間とする
※車庫線前後の図面や
第1図中(A)点を含む図面が無いため、どう考えても正確な推理が出来ず「あえて線形は触れないことにしました」トホホ・・・
改軌・電化完成と762mm軌間の撤去
↑762mm軌間の伊達←→掛田・梁川間の
改軌電化が完成したので762mm軌道は撤去するとした申請
大正15年11月11日認可の書類。多分申請日には完成していたのでは?
762mm軌間撤去による長岡車庫周辺の線路移設 
【理由書】
大正15年4月20日付発甲258号で認可申請し、同年8月18日付監2245号にて認可を受け工事方法変更区間の一部に省線伊達駅より福島起点5哩75鎖91節の間を含む。
762mm軌間による長岡より保原方面も1067mm軌間変更することになったので、今後福島起点5哩53鎖10節から同哩75鎖90節感に於ける762mm併用軌道の必要は無くなった。
福島起点5哩76鎖50節から左に分岐する762mmの機関車庫及び客車庫の必要も無くなって、在来の福島起点5哩75鎖90節の点より左に分岐し飯坂に至る誠に曲折迂遠なる線路は、電車運転の上において甚だ面白からず、福島起点5哩75鎖90節の地点より左曲がりせず省線伊達駅方面に直通、福島起点(5哩76鎖80節?)の地点から左に分岐し飯坂方面に至るよう線路を変更したい
※()内は省担当者疑問符。下記工事方法書の5哩75鎖90節のことを指すのか
【工事方法書】
福島起点6哩付近線路一部変更
1 福島駅起点5哩75鎖90節から左に分岐する6哩1鎖13節に至る延長9鎖59節6(断鎖の4鎖6節6を含む)を飯坂に向けて直通に変更するのでその延長は8鎖89節とする※断鎖=当初からの変更で短縮された部分
2 略
工事落成期日
工事の落成は工事施工認可の日から15日間とする 
 ↑改軌・電化、飯坂方面の線路配置変更後の長岡車庫
762mm廃線変更前は飯坂方面甚だ面白からずってどんな線形だったのか
 ↑S22撮影
飯坂方面からの延長線上にバスらしき車両があるが果たして兼用していたのか
↑S50.11.03の空中写真の状況
↑第一次電化、改軌終了前後の線路図
762mm桑折線は大正11年4月17日から昭和2年4月8日
(4月9日休止認可)までのたった5年間しか営業しなかった 
悲劇?のSL桑折線と川俣方面等については別途記載しました
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