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【京浜電鉄歴史】
トロッコが大師線、穴守線で交差した時代、
県と国、鶴見市場付近の平面交差で大バトル
2022.07.10 Ve3.61 |
大正時代も後半になって都市整備の施策が萌芽して様々な施策が展開されるが、京浜電鉄にとって厄介なのは通称「土取線」と線路の平面交差であった。絡みで多数の書類を提出しなければならない。出せば出したで「項目多数の照会文」の嵐。国家工事のためとはいえ良い迷惑。
多摩川を改修する両岸では、多摩川に積層した礫を土取線で内陸の適所に運んで土木工事に投入していた。
一方で、鶴見川付近で土取線の平面交差を巡って神奈川県(担当官)が鉄道省に前代未聞の文書送付で大バトル
残文書で見る限り、京浜間の2大河川土取線騒動は此のおかげで?スムーズに。その後トラックに歴史代替
【ご注意】店主の低能な読解力で作成していますので、誤訳があったら申し訳ございませぬ。 |
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穴守線のトロッコ交差 |
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↑大正13年8月12日 に国がやれって言うから申請書出しますよ~。的な |
↑ 東京府も自分の事業だから支障ないって・・・。進達 |
結果、6ヶ月毎の延長申請で大正時代でが終わったと思いきや、昭和4年に再度、新設で出されている
交差場所も全く同じ。多分、内々で延々つづいていたのでは無かろうか???
それとも、この間の書類が戦災で燃えてしまったのか |
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↑担当者作図を色づけ
さて、此の距離を「馬力」でどうやって運んだのか?
途中に交換所が無ければ余りに非効率だし、トロッコは当然1両だろうし
一帯、機関車役として何頭の馬がいたのだろうか。
馬小屋(機関庫)があったのだろうか??餌や水を何処で?
パワーショベルでひとすくい程度の土量(店主想像)をトロッコに入れて
トコトコ、線路に糞ション便垂れ流し。日ノ出から日没が運行時間
のお約束だが、馬とトロッコの方転は?とかどのような運行だったのだろう。
店主、交換所と機関庫が最大の関心事 |
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↑いろいろと取り決めが
馬運軌道は696mm、肝は交差箇所は「水平、直角」 |
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↑昭和4年の改めての申請では、使用期間6ヶ月は同じ。
文書は前申請を完コピ |
申請書類で期限あるモノは基本、半年に1度役所に提出※延長願が常套手段
項目の【十】として交差点の使用時間が
「自:午前8時 至:午後5時」、「踏切閉塞回数:毎日10回」と規定された
こんな回数で済むのか?一回に操縦人(馬+トロッコ)で20セットぐらいが
一気に渡らなければ、まっとうな仕事にはならない気が。 |
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↑保安について
当時、他も同様と思われるが、京浜電鉄(軌道線)の信号の呼称は
「無難(青)」,「危害(赤)」の3位式の場合は「注意(橙)」であった。
現在だったら、車内アナウンスで信号が「危害」を表示していますので少々停車します。てな感じ?コワ~。 |
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↑交差軌条の設計図 |
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↑京浜電鉄側のレールは赤丸の部分でトロッコのフランジ分を削る
割損しないように継ぎ目板と多数のボルトでレールがガッツリと固定されている |
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↑トロッコ側はフランジ側線路を全切断で京浜電鉄の車輪安全確保 |
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↑京浜電鉄のレール欠き取り状況。此の交差の護輪軌条は無く通過速度はそれなりに低いと・・・。 |
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↑こんな感じだろうか。※名鉄築港線 |
大師線 旭小学校 |
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小学校敷地突貫工事
県の進達には「至急特別」,「八月竣工の上、9月より授業」と急がせる添え書きが。
馬力、交差方法等の詳細は穴守交差と同じ。回数は明記されていない。使用期間は3ヶ月
ところが1回延期願が出て許可、その後、第4耕地の使用にも継続して使用したいと願が。 |
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↑使用の目的が異なるので認可・・・。
しかし、「今回限りの温情」を放置して、期限経過後に再度申請するなど
第4耕地整理のための土取線の申請をいい加減にする県の監督体制に
怒りの鉄道省から別途「注意文書」が起案され県に送付される。
県は京浜電鉄には貴庁の怒り(注意)を拾分伝えたからとか。返信文書に記載して逃げた。←と店主解釈
すでに撤去したこともあって、エライことにはならず、迷惑を被ったような京浜電鉄だった。 |
大師線六郷橋付近 国道1号線整備のため土取線交差願 |
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↑国道1号線改修工事のために馬運トロッコ要望
土工軌道は県や府の仕事なのに、交差点は旅客輸送の
安全確認の観点から京浜電鉄が書類を書かされる。
しかし、大正10年に下記の鶴見市場付近の平面交差で
県が国に大バトルを仕掛けて惨敗した事もあって順調な滑り出し? |
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↑大正14年8月23日限りで撤去届(届書が残るのは珍しい) |
国道1号線(後の国道15号線)整備のため鶴見川橋梁付近の平面交差で
神奈川県の担当者と鉄道省の大バトル |
T10.07.19
■県知事→鉄道省監督局長宛て(以下鉄道省)
国道一號線道路改修工事に使用する土運車運転のため、管内橘樹郡鶴見町大字鶴見字芦穂ケ崎地内、京浜電気鉄道既設線に会社の同意を求め、別紙の報告書の通り踏切道を設置したので報告します。
1 場所 橘樹郡鶴見町大字鶴見字芦穂ケ崎地内
2 目的 第1号国道京浜間改修工事用土運搬のため
3 期日 自 大正10年7月20日 至 大正12年3月31日
4 使用機関車種類並びに員数
5噸機関車2台
5 機関車に「トロ」連結数
機関車1台に「トロ」大略20台を連結す
6 作業時間 毎朝午前6時より午後5時迄とす
7 交差点付近信号人配置方
本県側に於いて信号人1名京浜電気鉄道株式会社側に於いて1名都合2名を配置するものとす
■これを受け取った鉄道省の各部署は「ざぁ~けるなよ」と「蜂の巣をつついた騒ぎ」になったと店主想像
大略思うに
1 京浜電鉄から願を出させず。
県の当局者が「願」でなく、鉄道省抜きで京浜電鉄に交差させると勝手に決めて「処分」、鉄道省に此の案件を軌道を管轄するのは県として「報告」扱いに。当然、京浜電鉄から県を経由して鉄道省に行く文書は無い
2 機関車が20台程度のトロッコを牽引して交差する←実施したらこれは素晴らしい歴史に残る快挙
3 交差点の信号管理が無く、人のみにて行っている
鉄道省にしてみれば言語道断
■鉄道省は8月16日付けで県に対し
1 どういう規定をもって県の担当者が之を執行したのか詳細なる理由
2 会社は軌道条例で出願すべきなのにそれをさせないアンタ(貴官)は如何監督をしてるのか
3 平面交差は危険をして他に交差方法は無いのか。無いとすれば保安設備はどういう措置をするのか見込みと詳細を知りたい
と「激オコ」文を県に送りつけた
<店主空想>
此の間、京浜電鉄の親玉は鉄道省であるから基本は従うしか無いし、県からこんなんしてきおります。と下相談していたのでは無かろうか
■県は「激オコ文書」に対して9月1日付けで長々とした独自の見解を書き連ねた(珍)回答を鉄道省に送った。
■業を煮やして鉄道省技官が現地に実態調査に向かった
10月20日付けでその出張内容が部内に回議された
以下に県、省の両文書を下記にアップしました・・・。
文書で見る限り大正10年11月30日で平面交差の使用を中止させましたが、返す刀で12月までの1ヶ月延長の泣きが入っています。さてその結末は
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日付順に並べました
■9月1日付 独自の見解を書き連ねた県の回答
■10月20日 鉄道省技官が10月13日に出張調査した復命書
双方、中々チクチクとした文を挟んで大変読み応えがあるのではと思う店主 |
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↓↓店主が勝手に、ここら辺が・・・。に彩り線を付けてみました。 |
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↑鉄道省技官が現地にイッテQ~!
宮川大輔調:どんな状況かと言いますと、
平面交差に振り向いて、「エ~~~ッ!」
5噸機関車トロ20台平面亘りは国の強力な指導により?
試運転はしたかも知れないが(凄いぞ!)ハナから実施出来ず、
既にトロッコは人力で押している状態を確認している
係官は交差時の信号システムとトロッコ逸走防止に
問題があるのを指摘。改善するように指示したとある
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→→→→→
右上の文書を引き続きまぁ、やっちゃってみました
国家権力事業なんで京浜電鉄の運行を制限することは出来るし~。
とか書いちゃっている。
→→→すごい権力思考。
でもね
準備万端だが1ヶ月あまり本問題で事業中止状態。と泣き書き。
それはね、単純に国の事業委託を受けた県の担当者が己の力を
国家権力と思いこんで。と、本当のお国のお役人との
力関係を認識しない傍若無人さが原因・・。ですよ~。 |
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↑↓技官の報告は、いろいろと突っ込み処満載で |
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復命書は内部文書なのでタイプなどで浄書されないのでは?文字読むのが大変
交差時間短縮のために、平面交差でトロッコを押す人夫が躓かないよう踏み切り板整備を提言 |
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↑12月1日付で県から工事が終了出来ないと「延期の件」と書類提出
省内で受領後に担当官が赤字で添え書き。
県より鉄道省内土木局に電話で「仮工事撤廃の旨」申し出あり。
この通知は放置としておくことを打ち合わせ済み。と記載。
※電話で通知した県担当は上層部か別部署なのか??これで手締め??
県は歳末に際し、願文の中にあるとおり、多数の失業者を出してしまったのか?? |
↑復命書や部内会議の結果下された鉄道省としての11月21日「達済」とされた決裁書類。平面交差人力1台押。工事期限は11月30日。
事実上、郵送期間入れれば数日しかない。11月30日以降の平面交差作業は出来なくなった。
京浜電鉄には信用できない?県を経由せず此の文書を「垂示」※として直接文書送付した。※経由すべき處を飛ばして直接送ること。
省内の処理としては「他の案件後回?」最速処理を行った様子である。 |
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【番外】
「内務省 軽便機関車」で検索していたら
一般社団法人日本建設機械施工協会発行
建設機械施工誌Vol.71 No.8-2019.09
岡本直樹様著 「工事用の蒸気機関車小史」PDF
同じく Vol.66 No.5 May 2014
同氏による「工事用の軽便軌条小史」PDF
を発見しました。ご参考までに |
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本線では六郷土手駅の分岐線が土取線混合の怪しいニホイを放っています。いずれ。
このほか大師線で私企業との交差がありますが、別項でアップします |
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※店名略称:フィルムスキャンs、通称店名:鈴木写真変電所
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